2024年10月実施
禁煙外来実施医療機関アンケート結果報告
タバコフリー京都では、京都府内の禁煙外来実施医療機関の禁煙外来の現状を把握し、チャンピックス再出荷に伴う禁煙外来体制整備のために必要な情報について検討する目的で禁煙外来実施医療機関に対するアンケートを2024年10月に実施しました。その結果の速報を報告・公表しますのでご覧ください。
対象:京都府内の禁煙外来実施医療機関362施設
方法:グーグルフォームを利用したインターネットによるアンケート
期間:2024年10月1日~10月31日
【結果】(下記グラフ参照)
・回答医療機関数:77施設(回答率21.3%)
・禁煙外来を開設してからの期間(77件の回答):
10年以上 60%、5~10年 28%、1~5年 12%
・年度別禁煙外来受診者数:
2019年度:443、2020年度:422、2021年度:222、2022年度:194、2023年度:223
・COVID-19が流行し、チャンピックスが使用できなくなってから、禁煙外来は(77件の回答):
継続している 44% 休止している 56%
・外来患者数は(39件の回答):
減った 54% 変わらない 41%
・チャンピックスが使用できない現状で、主に使用している治療法(複数回答可)
ニコチンパッチ 38(86.4%)、禁煙カウンセリング 17(38.6%)、ニコチンガム 6(13.6%)
・チャンピックスの使用が再開された場合、治療体制を変更する予定(50件の回答):
現状維持 88%、拡充(遠隔診療・禁煙アプリなど) 12%
・チャンピックスの使用が再開された場合、休止している禁煙外来を(43件の回答):
再開する 86% 再開しない 14%
・禁煙治療に関する情報提供やトレーニングの機会は十分だと思いますか?(69件の回答):
いいえ 62% はい 38%
・禁煙関連団体の会員かどうか(77件の回答)
いずれの会員でもない 48(62%) ⇒ いずれかの会員 29(38%)
【まとめ】
・回答施設の禁煙外来患者数はCOVID-19が流行し、チャンピックスが使用できなくなってから約半数に減少し、COVID-19が5類に分類されてからも回復していない。
・回答した77施設中半数以上(56%)が禁煙外来を休止している。
・継続している施設では外来患者数は半数以上が減少している。
・チャンピックスの使用が再開された場合、禁煙外来を休止している施設のほとんど(86%)が禁煙外来を再開する予定。
・禁煙治療に関する情報提供やトレーニングの機会は約6割が不十分であると回答している。
【考察】
・チャンピックスの早期の再出荷が待たれる。
・禁煙外来の再開に向けて、情報提供やトレーニングの機会を設ける必要がある。
以下は自由記述
・現状の禁煙治療で、課題や不足を感じる点があればお聞かせください。(30 件の回答)
2回目以降の遠隔診療
紙巻きタバコの有害性では当てはまらない問題もある。例えば、一酸化炭素など。
本人の意欲に左右される点
患者の意欲の低下。
チャンピックス供給を早くしてほしい。
新型タバコに対する教育、取り組み方
患者さんに禁煙に興味を持っていただくパンフや動画があれば利用したい。
継続して治療を受ける方が少ない。
加熱式タバコや、水タバコなど新しいタバコに対するデータが少ない。これらの資料をパワーポイントなどでダウンロード出来るようにすれば便利かと。
学生の禁煙相談に関しては継続して通ってもらう動機づけが難しい。大学内で卒援支援エリアか再開してしまった。
薬剤の供給の安定化
術前患者などを禁煙外来にうまく誘導できていない
最新の情報の不足
チャンピックス待ちです
高齢者の禁煙治療が、難しい場合がある。
薬の安定供給
近隣の薬局でニコチネルTTSの在庫をおいているところがほとんどない。
チャンピックスが待たれます。
説得する時間が少ない。
外来を開設してちょうど1年になります。チャンピックスの使用経験がなく、新たな治療法の選択・実施に期待しています。 精神的に不安定・脆弱な患者さんの禁煙治療、禁煙外来の場以外での禁煙アプローチに力不足を感じます。
加熱式でCO測定が役に立たないこと
指導者の人員不足、禁煙アプリなどの活用が難しい環境
ずっと休止していたのでアプリがうまく使えるか不安
禁煙外来について勉強する機会がない
喫煙者に対する情報提供が不十分ではないか?
チャンピックスを使用出来ない状況で 患者さまのモチベーションがあがりにくい。
時間がかかる
患者自身の継続が難しい。
・禁煙外来の運営や禁煙治療に関してご意見やご要望がありましたら、ご自由にお書きください。(15 件の回答)
健診で短時間サポートによる禁煙指導の充実
当方の意欲低下。
ニコチネルを置いている薬局が少ない
施設基準の実績報告はもう必要ないのでは?保険のシステムが複雑化して、面倒な報告事項が多すぎます。
1)在宅酸素中でもタバコをやめられない依存症患者も存在する。毎年火災で数人焼死している。在宅酸素中はニコチンガム パッチを長期に健康保険で使用できるとありがたい。2)ニコチンガムは入れ歯 差し歯の人には使いにくいので、イギリスにあるニコチンスプレーや飴を発売していただきたいです。
タバコは健康問題を解決するためのキーファクターの一つであることを医療者はもちろん一般の人にも知らせてほしい。
難しい。時間が無いのが問題
各科でするのではなく、依存症外来として特化しても良い気がする
他の施設の運営状況を知りたいです
上記の会員外でも基本的な研修がwebやオンデマンドで受けることができるようお願いしたい
加熱式タバコ使用者の心に響く情報提供や卒煙の勧めがあれば教えてほしい。
行政による対応が不十分、初回受診者のタバコ臭に耐え難い
同法人内の診療所で実施しており、当院でのニーズは低い。
タバコフリー京都
(NPO法人 京都禁煙推進研究会)
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